東京世田谷区にある豪徳寺は「招き猫」発祥の地として知られています。
豪徳寺の正式名称は、「大谿山 豪徳寺(だいけいざん ごうとくじ)」です。豪徳寺は曹洞宗の寺院で、彦根藩主・井伊家の江戸における菩薩寺となっております。「井伊家って?」と思う方は、幕末の安政の大獄で知られる「井伊直弼」の名前を聞いたことはありませんか?豪徳寺には井伊家ゆかりの文化財を数多く所蔵してあり、井伊家の墓所もあるので、井伊直弼のお墓も豪徳寺にあります。
豪徳寺は、東京都世田谷区豪徳寺2-24-7にあり、三軒茶屋駅と下高井戸駅を結ぶ東急世田谷線の宮の坂駅から徒歩5分の場所にあります。
豪徳寺と招き猫
豪徳寺は、文明12年(1480年)に、世田谷城主の吉良政忠が亡くなった伯母・高徳院のために創建した臨済宗の弘徳院が前身とされています。その後、天正12年(1584年)に曹洞宗に改められます。
寛永10年(1633年)には当地を含む「世田谷領」と呼ばれる地域が彦根藩の支配となり、彦根藩主・井伊家の江戸における菩提寺になりました。
2代藩主・井伊直孝の戒名「久昌院殿豪徳天英大居士」にちなんで、豪徳寺と改号されたそうです。
三軒茶屋 から下高井戸 までの10駅を結ぶ #世田谷線 は、東京では2線だけの #路面電車。沿線には緑が多く、小さな駅で電車を待っていると、のどかな気分です。#招き猫 が奉納されている豪徳寺などを訪ねました。終点まで乗っても約20分の短い路線ですが、カフェや商店街もあって、沿線散歩が楽しい~。 pic.twitter.com/QjGXRkCWLr
— 月刊 旅行読売 (@tabiyomi) August 10, 2023
招き猫の由来
招き猫発祥の地とされる由来も、井伊直孝と深い関係があるのです。井伊直孝が鷹狩りに出かけた帰り道、小さな寺の前を通りかかると、門前で一匹の猫が手招きをしていたので、直孝は猫に導かれて寺の中に入って休憩していたら、たちまち空が曇って雷雨になったそうです。住職の愛猫「たま」のおかげで落雷の難を逃れ、説法を聞けたことに仏の因果を感じた直孝は、荒れていた寺を改築。この出来事が縁となり、井伊家の菩提寺になったと伝えられています。
豪徳寺の招き猫
招き猫は、右手を挙げているもの、左手を挙げているものとあります。
一般的に、右手は金運を招き、左手は人とのご縁を招くと言われています。
両手を挙げている猫は、「金運」も「人」もというのはちょっと欲張りな感じがしますね。また、両手を挙げているのは、「お手上げ」の意味があるので、縁起が悪いとされているようです。
では豪徳寺の猫はどうなのでしょうか?
豪徳寺の招き猫は、右手をあげて招いています。右手をあげている招き猫は通常小判を持っているので、金運を招くと言われています。しかし、豪徳寺の招福猫児は小判を持っておらず、右手をあげています。
豪徳寺では、招き猫は、人を招いて「縁」をもたらしてくれるのですが、福そのものを与えてくれるわけではないのです。人との大切な「ご縁」を生かせるかどうかは、その人次第なので、報恩感謝の気持ちがあれば、自然とその人のもとに福が訪れる、という意味が込められていました。ですので、小判を持たず、右手だけをあげています
2022/8/15に行った豪徳寺
招き猫😺で有名なお寺なので
招き猫の像とか招き猫が沢山います🐈🐱
かわいいですね☺️#豪徳寺 #御朱印 #神社仏閣 #お寺 #招き猫 pic.twitter.com/3WMISqWX7B— 引きこもりの神社仏閣御朱印巡り (@soccer991) December 26, 2022
招き猫は三毛猫がモデル
招き猫のモデルは三毛猫と言われています。3色の毛色の3という数字が、縁起が良いとされているし、賢いし健康で丈夫な猫が多いということから「幸運を招き寄せる」と言われるようになりました。特に商家では商売繁盛を願って三毛猫を特に大切にするようになったそうです。
三毛猫の毛色は、白、黒、茶です。
白は三毛猫のベースカラーですが、そもそも白という色は「来福招福」という意味があります。純白は清潔・純粋を意味し、幸せを包み込んで育てるというイメージが定着しています。
黒色にはそもそもヨーロッパなどでも「黒猫には魔力がある」ということから「魔除け厄除け」といった意味があります。
そして赤い色(茶色)は日本では昔から麻疹や疱瘡の神が嫌う色であると信じられ、「無病息災」の色として考えられているのです。
よく知られているように、三毛猫はほとんどがメスです。オスの三毛猫はその希少性から「幸運のシンボル」として崇められており、船乗りからは「航海の際に三毛猫のオスを飼っていれば絶対に安全」と信じられていたそうです。
南極観測船として有名な「宗谷(そうや)」にもオスの三毛猫・タケシが乗っていたそうです。
東京世田谷線で見かけた吊り輪。可愛いですよね。
豪徳寺の近くのカフェ、レストラン
洋食ボンバー
東京都世田谷区豪徳寺1丁目46-19 豪徳寺駅出口から徒歩約1分
ハンバーグが一番人気ですが、どのメニューもおいしいと評判です。
三輪亭
東京都世田谷区豪徳寺1-13-15 ツノダ第1ビル1階 豪徳寺駅出口から徒歩約4分
静かな住宅街にある南チロル料理を楽しめるお店。手ごろなお値段で美味しい。
OLD NEPAL TOKYO
東京都世田谷区豪徳寺1-42-11 豪徳寺駅、山下駅より各徒歩2分
ネパールカレーのお店。
「食べログアジア・エスニックTOKYO百名店2022」選出店です。
まとめ
東急世田谷線の宮の坂駅を下車して徒歩5分の所にある豪徳寺。静かな住宅街の中にある豪徳寺は招き猫の寺と知られています。彦根藩主井伊家ゆかりの文化財や墓所があります。猫好きの方にはたくさんの招き猫が迎えてくれるのはたまらないでしょうね。
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