福井県勝山市にある福井県立恐竜博物館が2023年7月14日にリニューアルオープンしました。北陸の福井県は、越前蟹や越前そば、竹人形で知られている、北陸地方で一番人口が少ない県です。また、サスペンスドラマに出てきそうな険しい岸壁の東尋坊、横浜の総持寺と並ぶ日本曹洞宗の大本山の永平寺も知られていますが、恐竜の博物館があるのは意外ですよね。
実は福井県は近年恐竜で名をはせているんです。日本で発見された恐竜の化石のうち約8割が福井県で見つかっているのです。すごいですよね。恐竜王国福井県の福井県立恐竜博物館は、年間最高94万人もの方が訪れ、カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並び、世界三大恐竜博物館と称されています。
今回は近年、恐竜で知られる福井県の恐竜博物館をご紹介します。
リニューアルした福井県立恐竜博物館について
日本で発見された恐竜の化石のうち約8割が福井県で発見されていますが、「なぜ福井県が多いの!?」と思う方は少なくないと思います。
その理由は、福井県勝山市で恐竜が生きていた頃に堆積した地層の中でも、ボーンヘッドと言われる、特に骨などがたくさんかき集められた部分が発見できたからなんです。
また、昭和57(1982)年に勝山市の杉山川流域で中生代白亜紀前期のワニ化石が発見されました。それがきっかけとなって、大規模かつ集中的な発掘が行われるようになったことも、福井県で恐竜の化石が多く見つかっている理由の一つです。
福井県立恐竜博物館は、福井県勝山市村岡町寺尾51-11(かつやま恐竜の森内)に2000年7月14日に開館した恐竜を中心とする地質・古生物学博物館です。
世界三大恐竜博物館の一つに数えられ、2000年7月にオープンしてから国内外から大勢の人々が訪れています。
2019年3月には累計来館者が1,000万人を突破するほど人気なのです。
また、「映画ドラえもん のび太の新恐竜」では、福井県立恐竜博物館が監修など全面協力しているんです。
2022年(令和4年)12月からリニューアル工事として本館の常設展示の変更や新館の増築を行い、20年前の開館日と同じ、2023年(令和5年)7月14日に再オープンしました。
福井県立恐竜博物館の見どころ・特徴・アクセスは?
見どころ
本館と2023年に増築された3階建ての新館、このほかに屋外に設けられた野外恐竜博物館などがありますが、何と言っても増築された3階建ての新館に見どころがいっぱいあります。
見どころ①:
本館1階は「恐竜の世界ゾーン」で、全身骨格化石があります。恐竜の全身骨格化石は2023年のリニューアルで、44体から50体に増えました。恐竜の全身骨格の展示のうちカマラサウルスやアロサウルスなど、10体は実物の化石を使っています。また、このフロアでぜひ見てほしいのが、草食恐竜ブラキロフォサウルスの皮膚や筋肉の痕跡が残っている非常に貴重な「ミイラ化石」です。表面に蜂の巣穴のようにいくつも見える円の部分が皮膚の痕だそうです。
福井市内の倉庫で17日、日本初公開となる草食恐竜 #ブラキロフォサウルス のミイラの化石が報道陣に公開された。皮膚の痕跡まで確認できる世界的にも大変珍しい化石で、リニューアル工事中の県立恐竜博物館で夏以降、一般公開される。
福井県内のニュースはこちらhttps://t.co/NKUHQOSoZj pic.twitter.com/1aYwSXdXhU
— おじゃまっテレ (@fbc_ojama) April 17, 2023
見どころ②
本館2階は生命の誕生から人類までの進化を紹介する「生命の歴史」ゾーンとなっており、「中生代の海の爬虫類」コーナーには2023年のリニューアルで長さ13mのティロサウルス、翼竜プテロダウストロ、潜水鳥ヘスペロルニスが新たに追加されました。
本館の入口に向かって右手に、本館より一回り小ぶりの銀色のドームの新館が増築されました。
新館の一階から三階まで吹き抜けの空間には「恐竜の塔」と呼ばれるシンボルモニュメントが設置されていて、福井県で発見されたフクイティタン、コシサウルス、フクイサウルス、フクイベナートル、フクイラプトルの恐竜5体とフクイプテリクスの鳥類1羽があしらわれています。
7月14日(金)にリニューアルオープンする福井県立恐竜博物館(勝山市)の内覧会に伺いました。2000年に開館し、年間最高で94万人が訪れた同館は、世界三大恐竜博物館にも挙げられます。新館のエスカレーター横には、福井で見つかった恐竜5体と鳥1羽があしらわれた「恐竜の塔」が登場しました。→(続 pic.twitter.com/jEve0Y1cGY
— 美術展ナビ (@art_ex_japan) July 11, 2023
エスカレーターの脇には収蔵庫がありますが、一部の壁がガラス張りになっているので中の様子が見えるようになっています。
見どころ③
3階の「化石研究体験室」は展示物を見てもらうだけではなく、研究の様子をリアルに体験してほしいと願って作られたそうです。メニューは化石クリーニング・CT化石観察・T.rex頭骨復元(4月下旬〜11月上旬開催)・化石発掘プラス(11月中旬〜4月中旬開催)の4つのメニューがあり、「化石クリーニング」と「CT化石観察」は通年で体験できます。「化石クリーニング」は、プロ仕様の道具を使って岩を削り、化石を取り出す作業を行います。
発掘ごっこで終わると思ったら最近ヘビロテ再生してる福井県立恐竜博物館の特集番組でやってた『化石クリーニング』をすると言うので、不使用カレンダーと使用済ハブラシと田楽串とお弁当ピックで化石(仮)の土を綺麗に取り除く作業も始まりました pic.twitter.com/kS38heh8hi
— 梶井ゆりゑ @5y♂推し (@kajikaji_ye) January 16, 2022
野外恐竜博物館は、恐竜博物館から専用バス(恐竜バス)で20分ほど行った、県境近い山の中に恐竜化石発掘現場があり、その向かい側の丘の上に建てられています。実際の発掘の様子をながめながら、同じように発掘体験を行うことができる施設です。
野外恐竜博物館は2022年8月4日の記録的大雨により臨時休館となっていましたが、2023年7月のリニューアルオープンに合わせて再開しました。
アクセス
福井県立恐竜博物館がある勝山市は、山々に囲まれた中に九頭竜川の清流が流れ、夏は登山やキャンプ、冬はスキー客で賑わう、とてものどかな街です。
電車、飛行機の場合
JR福井駅にご到着後、えちぜん鉄道へ乗り換えとなります。
勝山永平寺線に乗車後、勝山駅(終点)にて下車し、バスまたはタクシーをご利用ください。(バス15分、タクシー10分)
電車・バスの往復料金と博物館の入館料がセットになった、お得なセット券もあります。(当日限り有効)
車の場合
北陸自動車道 福井北JCTから中部縦貫自動車道(無料区間)に入り、勝山ICから国道416号線をご利用ください。
(福井北JCTから約30分)
東海北陸自動車道をご利用の場合、白鳥JCT・ICから中部縦貫自動車道油坂峠道路、国道158号、国道157号をご利用ください。
(白鳥JCT・ICから約1時間30分)
近隣のホテル
恐竜博物館で恐竜をいっぱい観ても、恐竜好きは恐竜を堪能できるホテルがあると嬉しいですよね。
実は恐竜博物館周辺には、恐竜を堪能できるホテルがあるんです!
恐竜を堪能できるホテルを幾つかご紹介します。
プチホテル リヴェール勝山
お部屋のカーペットは恐竜が闊歩した大草原をイメージし、お部屋の壁、天井、窓に恐竜がお出迎えしてくれます。また、お部屋に設置されている小物類もかわいい恐竜達の恐竜ルームがあります。ただ、恐竜ルームは夏季(8月~9月)限定ですのでご注意を。
勝山東急リゾート ホテルハーヴェスト スキージャム勝山
飛翔するプテラノドンの影や恐竜の体の一部を模した大型オブジェや
ツリーハウスをイメージした秘密基地感あふれるロフト、白亜紀をイメージした壁紙など、
“恐竜王国かつやま”を思う存分満喫できる、恐竜ルームのあるホテルです。
勝山ニューホテル
恐竜博物館に一番近い高原リゾートホテルです。
2021年12月に、体験する恐竜ルーム「恐竜ラボ(研究室)ルーム」誕生しました。
地層をイメージした壁紙に福井県で発掘された「フクイラプトル」など、
全5体のほぼ実物大の恐竜型カットアウトを配置してあります。
まとめ
日本で発見された恐竜の化石は福井県で発見されています。その福井県勝山市にある福井県立恐竜博物館は、2000年7月14日に開館し、4,500㎡という広大な展示室に、50体の恐竜骨格や千数百もの標本が展示されていて、大型復元ジオラマや映像などを見ることができます。恐竜好きにはたまらない博物館ですね。2022年12月からリニューアル工事が始まり、2023年7月14日に再オープンしました。また、2024年春の北陸新幹線福井・敦賀が開業すると、ますます恐竜好きが足を運ぶでしょうね。
コメント